モンテビデオ
(1)独立広場(Plaza Independencia)
モンテビデオの銀座通りである「7月18日通り」の起点に位置する。中央に独立戦争の英雄アルティガス将軍の銅像があり、同将軍はウルグアイのシンボルとして尊敬を集めており、国家の祝典などの際にはこの像に献花が行われる。
この広場の周りには、旧大統領府(パラシオ・エステベス)をはじめ、5つ星ホテル、ソリス劇場などがある。 近辺には、観光客のための革製品や土産物の店もある。広場西側のプエルタ・デ・ラ・シウダデラ(Puerta de la Ciudadela)は、植民地時代の建物を多く残す旧市街(Ciudad Vieja)への入り口。
(2)憲法広場(Plaza Constitución)
ここには植民地時代の政庁(el Cabildo)があり、1830年7月18日この広場で憲法発布が行われた。政庁は現在博物館になっており、独立当時の種々の記念品が陳列されている他、年間を通じ写真や絵画の展覧会が数多く開催されている。
広場を越えて政庁の向かい側には、モンテビデオ最古の教会であるマトリス教会(Iglesia Matriz / Catedral de Montevideo))がある。この美しい教会の名から、この広場は市民にはマトリス広場(Plaza Matriz)の名でも親しまれており、ベンチやカフェテリアで憩う人々が絶えない美しい場所となっている。広場の中心にある噴水は、1871年モンテビデオの水道の開通を記念して作られた。
(3)7月18日通り(Avenida 18 de julio)
1830年の憲法発布の日を記念して命名された大通りで、独立広場を起点としてモンテビデオの中心を貫いている。「モンテビデオ銀座」とも呼ぶべき通りであり、商店や映画館が集中している他、通りに面して、カガンチャ広場(Plaza Cagancha)、エントレベロ広場(Plaza Entrevero)等、美しい広場が続いて多くの市民が買い物や散歩を楽しんでいる。また、この通りの1本南側を走るサン・ホセ通り(San José)には、商店の他に庶民的なレストラン、食堂が多くあり、散策に最適。
(4)国会議事堂(Palacio Legislativo)
モンテビデオの建築史上最も重要な建物のひとつ。1906年に工事が開始され、1925年8月25日の独立100周年記念日より議事堂として使われている。イタリア人建築家モレッティ(Moretti)の手による、ネオクラシック調の建築様式。外壁は国産の大理石でおおわれ、ステンドグラスはイタリアから運ばれてきたもの。建物の外部には、それぞれ法、正義、科学、労働を象徴する4つの彫刻が立っている。建物は正面から見て左右対称、右側が上院、左側が下院となっており、中央部の高さは40メートル、床面積は8,000平方メートルにわたる。
月~金 9:00~17:00 入場料:無料
住所:Av. de Las Leyes s/n
(5)ホセ・バジェ・イ・オルドニェス公園(Parque José Batlle y Ordoñez)
ホセ・バジェ・イ・オルドニェスは、1903年より1915年の間2期にわたり大統領を務めた著名な政治家。60ヘクタールの広大な公園には彼を記念したオベリスク、開拓時代を象徴する牛車のブロンズ像(Monumento a la Carreta)があるほか、陸上競技場、競輪場、ウルグアイ最大のサッカースタジアム(Estadio Centenario:8万人収容)がある。このスタジアムは1930年の第1回ワールドカップ開催に合わせて建設され、ウルグアイ選抜チームは名誉ある初代優勝チームとなった。
この公園内には、第2次世界大戦中の連合国、米、英両国の大使公邸があるため。
「連合国公園」(Parque de los Aliados)とも呼ばれ、一般のウルグアイ人にはこの名の方が良く知られている。
(6)ロドー公園(Parque Rodó)
ウルグアイの誇る文学者エンリケ・ロドーを記念して命名された公園で、池を囲みランブラへ下っていく散歩道は、景色を楽しみながらのんびりと時間を過ごすのに最適。敷地内の遊園地や野外劇場は、夏休み中等は特に大変なにぎわいを見せる。同公園内にある国立視覚美術館には、ウルグアイの代表的画家バラーダス(Rafael Pérez Barradas/1890-1929:スペインで活躍した前衛派)、フィガリ(Pedro Figari/1861-1938:ウルグアイの田園風景を中心とした作品が多い表現主義派)及びトーレス・ガルシア(Joaquín Torres García/1874-1949:キュービズムの影響を受けた建設派(Constructivista)の作品が随時展示されているほか、年間を通じ種々の展覧会が開催されている。
国立視覚美術館(Museo Nacional de Artes Visuales)
TEL:711-6054 水~日 15:00~19:00 入場料:無料
(7)プラド公園(Parque Prado)
モンテビデオ市中心より北西6キロに位置する広大な公園で、毎年牧畜品評会、荒馬乗りなどが行われる。公園内には、先住民族であるチャルーア族の銅像、開拓当時の駅馬車(Monumento a la Diligencia)の銅像などがある。またバラ園も見逃せないものの一つで、春には各種のバラが開花し、家族連れなどで賑わう。
(8)日本庭園(Jardín Japonés)
モンテビデオ県庁、在アルゼンチン・ウルグアイ日系企業、日本人会などの支援により日本・ウルグアイ修好80周年記念事業の一環として、ブラネス美術館の敷地内に2001年9月24日に開園された。庭園入り口の門には小泉総理大臣揮毫の“平成苑”の表札が飾られ、園内にはあずま屋、滝、池、獅子脅し、岐阜県から寄贈された雪見灯籠などが設置されている。桜、藤、セイボ(ウルグアイの国花)などの木々も植えられ、季節毎の色をだし、週末には多くの人が訪れる。
住所:Av.Millan 4015 y Castro 【ブラネス美術館内】
火~日 12:00~18:00(冬は17:00まで) 入場料:無料
(9)モンテビデオ市動物園(Jardín Zoológico)
モンテビデオ市内にある小規模な動物園。ウルグアイに生息する珍しい齧歯(げっし)類の動物(カピバラ等)がおり、週末ともなると家族連れで賑わいを見せる。園内にはプラネタリウムもあり、週末には1日2回の上映が行われる。
動物園 住所:Av.Rivera entre Rosell y Rius y Osorio TEL:622-9111
水~日 9:00~19:00 入場料:20ペソ(12歳未満無料)
プラネタリウム 住所:同上 TEL:622-9109
土・日 第一回目17:00~ 第二回目18:00~ 入場料:無料
(10)カジノ(Casino)
市内には、中心部に近い前述のロドー公園に隣接するParque Hotel内、独立広場前のRadisson Victoria Plaza Hotel内、カラスコのHotel Carrasco内に計3つのカジノがある。モナコやラス・ベガスと比べれば小規模ではあるが、夏の観光シーズン中はかなりの賑わいを見せる。以前は上着、ネクタイ着用でないと入場できなかったが、現在はあまりうるさくはない。ルーレットとカードが行われる。また、スロットのみを取り扱っているカジノもショッピング・センター内や7月18日通りのセンター街にある。
CASINO PARQUE HOTEL 毎日 14:00~4:00(但しルーレットは14:00~2:00)
住所:Gozalo Ramirez 2067 TEL:400-2401
RADISSON VICTORIA PLAZA HOTEL 毎日 14:00~5:00
住所:Colonia entre Ciudadela y Florida TEL:902-0111
CASINO CARRASCO
住所:Rbla. Republica de Mexico y Alfredo Arocena TEL:601-1261
(11)ポシートス海岸(Playa Pocitos)
モンテビデオ市内の海水浴場のうち最も有名で、海岸に面してアパート群が立ち並び、ちょうどリオ・デ・ジャネイロのコパカバーナ海岸を小さくしたような雰囲気。夏季には日光浴、海水浴、ビーチバレー等スポーツを楽しむ人々で大変な賑わいをみせる。また、海岸沿いの道路で、のんびり散歩する人々、マテ茶を片手に座って談笑する人々の姿は季節を問わない。
(12)モンテビデオの丘(Cerro de Montevideo / Fortaleza)
モンテビデオ市の名称の由来となったともいわれている丘。市の中心部よりモンテビデオ港を隔てて見え、142メートルの頂上からの市街及び周辺の平野を望む景色は素晴らしく、一見の価値あり。頂上の要塞跡は現在軍事博物館(Museo General Artigas)になっており、独立戦争当時の銃等が陳列されている。天気の良い日には、青い空に要塞の白壁が眩しいほど映えて見える。
軍事博物館 火~日 10:00~18:00 入場料15ペソ
(13)サッカー博物館及びセンテナリオ競技場
①センテナリオ競技場
ウルグアイはサッカーワールドカップの記念すべき第1回開催国かつ優勝国であり(1930年)、 その後も、1950年のワールドカップで2度目の優勝をしたサッカーの国である。さらにオリンピッ クにおいても2回連続優勝(1924年及び1928年)した実績を有し、南米選手権ではアル ゼンチンと並び14回の優勝回数を誇っている。国民のサッカー熱は高く、現在も欧州リーグで 活躍する優秀な選手を輩出している。第1回ワールドカップ開催のために建設された同競技 場は8万人収容可能でプロリーグや国際試合が開催されている。
②サッカー博物館
1967年ウルグアイ・サッカー協会のイニシアティブにより、ウルグアイのサッカーの歴史を展示す る目的で建設が決められ、センテナリオ競技場の観客席下に作られた。館内には、トロフィー、 メダル、ユニフォーム、選手達が愛用したシューズ、ポスターなどが展示されるなどサッカーの歴 史がわかる造りになっている。 博物館の真上に立つタワーはセンテナリオ競技場のシンボル的 存在であり、サッカーの試合に勝った側のチームフラッグを掲揚するために作られた。タワーの高 さは海抜100メートル、最上階までエレベーターで行くことができ、モンテビデオの町を一望でき る。
営業時間 月~金 10~17時 入場料 60ペソ
住所 Ricaldoni s/n. Estadio CentenarioTel. 480-1259
(14)歴史的建造物等
1980年のモンテビデオ条約によって、旧ラ米自由貿易連合(LAFTA)に代わって新たに創設されたラ米統合連合(ALADI)の本部がモンテビデオにある。更に1997年に設置されたメルコスール(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイで構成される経済統合)事務局は、ランブラ沿いの元ホテルを利用した美しい建物で、夜間には美しくライトアップされる。
モンテビデオ港内には、第2次世界大戦中モンテビデオ沖で自沈したドイツの戦艦グラフ・シューペー号の錨が、「今日、我々が守るべき理想よ不朽なれ」(Que perduren los ideales que hoy juntos defenderemos)という刻銘とともに置かれている。
旧市街には、19~20世紀初頭に豪商により建てられた私邸が所々残っており、モンテビデオが港町として繁栄した時代の面影が見られる。
以下は代表的な建物の一例の紹介。
・パラシオ・エステベス(Palacio Esteves)
独立広場に面した、クリーム色の建物。裕福な商人であったエステベス氏の私邸として19世紀に建てられたが、その後同氏の事業が倒産したため政府に売却され、1880年より1985年まで大統領府として利用された。付2009年末、バスケス大統領の政権時に独立広場あに面したカラス張りの近代的ば1985年サンギネッティ大統領により大統領府はエディフィシオ・リベルタと呼ばれる新ビルに移転し、エステベスの私邸であった旧大統領府は、現在式典のみに使われていた。また1999年9月には歴代大統領に関する資料を集めたカサ・デ・ゴビエルノ(大統領府)博物館が建物内に開館された。2009年末、バスケス大統領の政権時に独立広場に面したガラス張りの近代的なビルが大統領府として利用され始めた。
・パラシオ・タランコ(Palacio Taranco)
スペインからモンテビデオに移民し、貿易商として財を成したタランコ兄弟により19世紀末に建てられた私邸で、旧市街のサバラ広場(PLAZA ZABALA)に面している。パリの凱旋門を手がけたシフレ氏及びジロー氏により設計されたベルサイユ調の建物で、イタリア産の大理石などヨーロッパから輸入した材料を使用して建てられた。地下1階には古代ギリシアなどの遺物を展示した美術館もある。
・パラシオ・サントス(Palacio Santos)
サントス大統領の私邸として19世紀末に建てられた、イタリア・ルネッサンス様式の建物で、7月18日通りに面している。「泉のパティオ」、「コロニアル風パティオ」という2つの美しい中庭を囲む形となっており、現在は外務省儀典局、文化局及び国際協力局があるほか、外務省の各種式典が催されている。
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