1.内政
●ポルト外務次官及びアントネーリ経済財務次官が就任した。
●バスケス前大統領が反中絶に関する論文集を出版し、FA内部から反発が生じた。
●国民党Unidad Nacionalがラカジェ・ポウ下院議員を次期大統領選挙派閥候補に選出した。
2.外交
●ムヒカ大統領が中国を訪問し、習近平総書記らと会談した。
●アストリ副大統領がコロンビアで開催された第7回太平洋同盟首脳会合に出席した。
●マドゥーロ・ベネズエラ大統領が来訪し、ムヒカ大統領らと会談した。
3.社会
●カラスコ地区の住民らが治安改善を求める大規模なデモを行った。モンテビデオ県警では本部長の辞職等大規模な人事異動が行われた。
●治安が悪化するカサバジェ地区において麻薬密売グループの抗争事件が発生した。
【概要】
1.内政
(1)外務次官及び経済財務次官の交代
7日、ルイス・ポルト経済財務次官が外務次官に就任した。また、21日にアレハンドロ・アントネーリ港湾局(ANP)全国港湾システム部長が経済財務次官に就任した。
(2)政府、議会及び与党FAの動向
ア 7日、バスケス前大統領が反中絶に関する論文集をオプス・デイ系のモンテビデオ大学から出版し、FA内部から反発が生じた。
イ 21日、アルバロ・ガルシア元経済相らを中心とするバスケス前大統領の次期大統領選挙出馬を支援するシンクタンク「Nueva Agenda Progresista」の結成集会が開催された。
(3)野党の動向
ア 4日、国民党のUnidad Nacionalが派閥大会を開催し、次期大統領選挙の派閥候補としてルイス・アルベルト・ラカジェ・ポウ下院議員を選出した。
イ 6日、国民党執行部は、次期モンテビデオ県知事選挙におけるコロラド党との選挙協力を正式に承認する旨発表した。
ウ 6日、国民党のパブロ・アブダラ下院議員(Corriente Renovadora)が次期大統領候補としてホルヘ・ララニャガ上院議員(Alianza Nacional)を支持する旨発表した。
エ 13日、コロラド党代表のマルタ・モンタネル下院議員が任期満了に伴い代表職を退任し、新代表にマックス・サポリンスキー副代表が就任した(任期は1年)。
オ 18日、国民党のアナ・リア・ピニェイルア下院議員がUnidad Nacionalを離脱し、30日にララニャガ上院議員率いるAlianza Nacionalへの加入を発表した。
(4)世論調査結果
2日、Cifra社が支持政党に関する世論調査結果を発表し、FA43%、国民党25%、コロラド党16%等となった。
(5)軍政期の人権弾圧問題
ア 8日、刑事裁判所は軍政期の1974年に共産党青年部のニビア・サバルサガライが軍の拷問により死亡した事件に関し、死因は自殺であったとする被告側主張を退け、ミゲル・ダルマオ将軍(2010年11月より収監中)に対して懲役28年の判決を下した。
イ 20日、逮捕・行方不明者家族の会による18回目の「沈黙の行進」が開催された。
ウ 23日、軍政期の人道に対する罪で2012年3月からアルゼンチン当局により指名手配中だったアルベルト・カンディオッティ同国中佐が、モンテビデオ市内のマンションに潜伏していたところをインターポールにより逮捕された。
2.外交
(1)ムヒカ大統領の中国訪問
25日~28日、ムヒカ大統領は中国を訪問し、習近平総書記、張徳江全国人民代表大会常務委員長らと会談した。アルマグロ外相、クレイメルマン工業エネルギー鉱業相、ピンタド運輸公共事業相ら政府関係者に加え多数の企業関係者が同行した。なお、28日~6月3日にスペイン、6月4日~5日にイタリア(体調不良によりキャンセル)を各々訪問予定。
(2)アストリ副大統領の第7回太平洋同盟首脳会合出席
23日、アストリ副大統領はコロンビア・カリで開催された第7回太平洋同盟首脳会合に外遊中のムヒカ大統領の代理として出席した
。
(3)アルマグロ外相のアルゼンチン訪問
13日、アルマグロ外相はアルゼンチンを訪問し、ティメルマン同国外相と会談した。
(4)マドゥーロ・ベネズエラ大統領のウルグアイ訪問
7日~8日、マドゥーロ・ベネズエラ大統領が来訪し、ムヒカ大統領らと会談した。
(5)パティーニョ・エクアドル外相のウルグアイ訪問
11日、エクアドルのパティーニョ外相が来訪し、アルマグロ外相と会談した。
(6)対ブラジル関係
ア 19日~21日、ブラジリアでブラジルとのハイレベルグループ会合運輸インフラ統合作業部会が開催され、ポルト外務次官、カランブラ観光スポーツ次官及びジェンタ運輸公共事業次官が出席した。
イ 27日、ロチャ県チュイにおいて、ウルグアイ・ブラジル社会労働フェアが開催され、ブレンタ労働社会保障相が出席した。
(7)その他要人往来
ア 3日、ピンタド運輸公共事業相はトルコを訪問し、航空協定の「第5の自由(以遠権)」に署名した。
イ 6日、韓国の朴麒豊国土交通部副長官が来訪し、クラストルニク電子政府・情報社会機構(AGESIC)総裁と会談した。両者は、空間データインフラ(SDI)協力協定に署名した。
ウ 7日、フランク・ラ・ルー国連表現の自由の権利に関する特別報告者が来訪し、国連人権理事会に提出予定の報告書につき発表を行った。
エ 10日、フランスのヤミナ・ベンギギ外務大臣付フランコフォニー担当相が来訪し、ムヒカ大統領らを表敬した。
オ 16日~17日、メンデス国防次官はペルー・リマにおいて開催された第8回UNASUR南米防衛審議会(CDS)次官級会合に出席した。
カ 25日、ボノミ内相はエクアドルを訪問し、同国との治安対策協力協定に署名した。
キ 28日、トルコ実業産業家連合(TUSKON)の代表団が来訪し、ジェンタ運輸公共事業相代理(次官)と深水港建設、鉄道再整備事業等への投資につき協議を行った。
ク 30日、ラファエル・フランシーニ国連薬物犯罪事務所(UNODC)ブラジル事務所代表(コノスール担当)が来訪し、ポルト外務次官、アントネーリ経済財務次官、ブリオッソ厚生次官、バスケス内務次官、ルスタノ労働社会保障次官と会談した。
(8)国際機関関係等
ア 17日、ウルグアイXXIとラテンアメリカ統合連合(ALADI)は通商情報交換協定に署名した。
イ 20日、大統領府において水銀に関する水俣条約の広報式典が開催され、大部一秋駐ウルグアイ日本大使が出席した
。
ウ 23日、ナイジェル・フィッシャー国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)事務総長特別代表が来訪し、ウイドブロ国防相らと会談した。
エ 27日~29日、モンテビデオにおいて第6回ISDB-T国際フォーラムが開催された。
3.社会
(1)治安
ア 4月にカラスコ地区で発生した空巣事件に第14警察署が迅速に対応しなかったことに端を発し、同地区の住民らが同署前での集会や内務省に対する治安改善を求める陳情を行ったほか、17日にはプンタ・ゴルダ、ウニオン、マルビン、シウダ・ビエハ等の住民らも参加した3000人規模の治安改善を求めるデモが行われた。また、モンテビデオ県警では、本部長の辞職をはじめ、地域責任者5人が解任されるなど大規模な人事異動が行われた。
イ 16日、カサバジェ地区において麻薬密売グループの抗争事件があり、付近の学校に銃弾が飛び込み、壁に銃弾の穴が開く等の被害が出た。同地区の治安は悪化傾向にあり、消防隊員は防弾チョッキを着用して消火活動に当たっており、タクシーやバスも同地区を通行することを躊躇している。内務省は治安改善に向け、同地区への警察署の設置を予定している。