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Japan

在ウルグアイ日本国大使館
Embajada del Japón en el Uruguay

 
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ウルグアイ内政・外交:2月

1.概要

(1)内政・社会

●税制改正による「富の再分配」に関し、与党拡大戦線(FA)党内で議論が紛糾し、MPP派、共産党派、社会党派など急進左派系とアサンブレア・ウルグアイ派及びヌエボ・エスパシオ党派やアリアンサ・プログレシスタ派など穏健派の議論が対立した。

●政府は、国土を国有財産とし、非効率な土地利用に国が介入、接収できる権利を得るため、土地所有関連法を改正する動きを進めている。

●国家統計局は15歳以上のウルグアイ人のうち75%が中等教育を修了していないと発表した。

 

(2)外交

●アルゼンチンが輸入認可手続きを必要とする品目を増加したことで、両国間で摩擦が生じたため、25日、ムヒカ大統領が訪亜し、フェルナンデス亜大統領と首脳会談を行ったが、ウルグアイが期待する結果を得ることはできなかった。

●7日及び8日、アルマグロ外相及びロサディージャ国防相が訪米し、米国政府関係者らと意見交換を行った。また、潘国連事務総長と会合を持ち、国連平和維持活動(PKO)へのコミットメントと貢献を強調した。

●20~27日、アストリ副大統領を始めとするウルグアイ代表団一行はインドを訪問し、アンサリ印副大統領を始めとする政府関係者やインド人企業家らと会合、これまで低調であった二国間貿易促進の重要性を確認した。

 

2.内政

(1)政府の動き

 ア 1日、新たな司法年度の開始により、Rompaey判事が最高裁判長に就任。軍政時(1973-1985)の軍人による拷問に対し、退役軍人が告訴されている事案について調査が開始された。

 

 イ 5日、与党拡大戦線(FA)党の結成40周年記念式典が立法府で執り行われた。

 

 ウ 5日、バスケス前大統領は、2014年次期大統領選挙立候補への意思表明をし、副大統領候補として、センディック燃料・セメント・アルコール(ANCAP)総裁の名前を挙げた。

 

 エ 政府は2011年3月31日以降、中央省庁における契約職員の任期延長は認めないとする政令を発出していたが、7日に政府が新たに発出した政令の中で、期限付き契約職員のための新たな身分を設置したことで、多くの期限付き契約職員は、3年の任期延長と更に3年の延長が可能となり、各省における構造改革が終了するまで継続して勤務できることとなった。

 

 オ 14日、政府は教育改革を推進するため、教育関係機関上級幹部等を閣僚会合に招集し、中央教育審議会(CODICEN)や国家教育局(ANEP)より教育の質改善のための今後の計画案の発表を受けた。

 

 カ 「ム」政権の経済政策、特に財政政策による「富の再分配」に関し、付加価値税(IVA)を2%減税するという09年の「ム」大統領の選挙公約に対し、IVA減税対象者を低所得者層に制限することや、法人税の増額や好調な農業セクター関係企業への増税などを求めるMPP派や共産党派及び社会党派と、これまでの経済路線継続や公約遵守を訴えるアストリ副大統領派(アサンブレア・ウルグアイ派、ヌエボ・エスパシオ党派、アリアンサ・プログレシスタ派)で意見が割れ、与党内で議論が紛糾した。

 これに関し、16日、アストリ副大統領派は会合を持ち、本件について審議した。アストリ副大統領は、公約通りの2%のIVA減税を主張、教育の重要性を改めて強調し、MPP派等の求める法人税増額を批判した。「ム」大統領も、アストリ副大統領派の意見に賛同。

 

 キ 政府は、国土を国有財産とし、非効率な土地利用に国が介入、接収できる権利を得るため、土地所有関連法を改正する動きを進めている。2010年に「ム」大統領が要請し、既に設置されていた委員会(3名の上院議員により構成)が、引き続き調査・検討を行うこととなった。

 

 ク 22日、県知事会が開催され「ム」大統領も出席。各県における自動車登録税に関し協議が持たれた。「ム」大統領は自動車登録税を全国一律とし、これにより税収が減額となる県に対しては、政府が財政援助を行うという法令制定を提案。また、全ての自動車登録税徴収を一括で運営する機関の創設も示唆した。

 

 ケ 22日、「ム」大統領は、国家水道局(OSE)コラッセ局長及びアラウホ次長が運営上の意見の相違により、同局の運営に支障をきたしていることを指摘、両者を解任した。次の役員選出が国会により承認されるまで、センディックANCAP総裁及びブリオッソ電力公社(UTE)副総裁が代理を行うこととなっている。

 

 コ 大統領府は2011年の閣僚交代はないと発表した。

 

(2)教育関係

 ア 国家統計局(INE)によると、15歳以上のウルグアイ人のうち75%が中等教育を修了しておらず、メルコスール域内で最高の数値であることが判明。また、14~24歳の青少年の16.7%が就学も就職もしていない由。

 

 イ 22日、コロラド党は初等・中等教育校及び職業訓練校における1年の授業日数を現在の約150日から200日に改定するための法案を提出した。

 

(3)国防省関係

 軍人1,000名が治安の悪化するモンテビデオ県やカネロネス県に警官として登用されることとなった。

 

(4)内務省関係

 ア 1日、モンテビデオ県警察第7署及び第9署の職員17名が、1月から開始された222サービス(内務省が斡旋する時間外の警備アルバイト)の削減に対する抗議目的でストライキを実施した。これまでも同サービス勤務中でのストは行われてきたものの、本来の警察業務でのストはほとんど行われたことがなく、かつ参加した17名の警察職員が労働組合には所属していなかったことから、内務省及び警察労働組合の関係者も衝撃を受けている。フェレイラ県警察本部長は、スト参加者に厳しく対処する旨を表明、同職員らの身柄を拘束し、うち5名を現職から解任、給与半減処分とした。

 

 イ 27日、ボノミ内務相は「ム」政権発足後約1年を振り返り、治安の最大の問題はモンテビデオ県とカネロネス県における強盗事件の増大であると述べ、対応策として新たな更正施設と殺人等の凶悪犯罪を犯した少年の補導歴を記録保管する必要性を訴えたものの、刑罰適用年齢の引き下げについては、その実効性に疑問があるとして否定した。

 

(5)労働関係

 ア 2009年にウルグアイ商工会議所等が、団体交渉権に関する法令の改正の必要性につき国際労働機関(ILO)に対し政府を提訴、ILOがその改正の必要性及び政労使による協議の場の設定の必要性につき政府に勧告を発出していた件で、7日、初の三者協議が開催されたが、三者の立場は大きく異なり、現状での合意は困難との見方が強い。

 

 イ 労働省とILOは、家政婦業におけるウルグアイの状況を調査するための合意に署名、6月に開催されるILO総会では、同業における協定もしくは勧告の採択を目指す。

 

3.外交

(1)対アルゼンチン関係

 ア アルゼンチン政府は同国への輸入に際し、認可手続きが必要となる品目を、自動車及び自動車関連品、金属、製鉄、消費家電、紡績・繊維関連品などを対象に400品目から600品目に増やすことを発表した。これに対し、ウルグアイ産業界や輸出業者は輸出産業に悪影響が及ぶとして反発。25日、「ム」大統領は亜を訪問しフェルナンデス亜大統領と会談したが、フォローアップ委員会の設置につき合意が得られたのみで、ウルグアイの期待する結果を得ることはできなかった。

 

 イ 25日に開催された上記首脳会談で、両首脳は、二国間で実行される液化天然ガスの再気化施設建設プロジェクトの覚書に署名した。

 

(2)対ブラジル関係

 ア 7日、「ム」大統領及びアストリ副大統領は訪ウした伯リオ・グランデ・ド・スル州知事と面会し、電力・エネルギー関連及び鉄道連結について協議した。

 

 イ 14日、「ム」大統領、ロサディージャ国防相及びアルマグロ外相は訪ウしたジョビン伯国防相とハイチにおける国連PKO、2012年にモンテビデオで開催される第10回米州防衛大臣会議及び二国間協力などについて協議した。

 

(3)対メルコスール関係

8日、デ・グフト貿易担当欧州委員は、メルコスール・EU間のFTAに向けた歩み寄りを目指し訪ウ。ムヒカ大統領、アストリ副大統領、コンデ外務次官、シモン教育文化次官、ロレンソ経済財務相及びアゲレ農牧水産相と会合を持った他、ウルグアイに拠点を置く欧州商工会議所や欧州企業を代表するウルグアイ人企業家との会合も持った。

 

(4)対米関係

7日及び8日、アルマグロ外相及びロサディージャ国防相は訪米し、スタインバーグ国務副長官、ホルト国務省国際機関事務局次長及びマシエロ国務省軍事政策次官やレストレポ国家安全保障会議西半球代表と、二国間関係及び国際政治情勢について意見交換した他、ハイチにおけるウルグアイの国連PKO派遣を含めた両国間及び域内での協力について意見交換した。その他、アルマグロ大臣はアバロス米国農牧省次官と農業及び畜産について協議した。その後両大臣はニューヨークで潘国連事務総長と会合を持ち、国連の枠組み内でのウルグアイによる国連平和維持活動(PKO)へのコミットメントと貢献を強調した。

 

(5)対スペイン関係

 アルマグロ外相は24日、スペインを訪問し、ヒメネス西外相と会談。スペインで生まれたウルグアイ人の子供がスペイン国籍を取得できるよう、スペイン外務省に要請。この他、貿易、文化及び国際協力関係についても協議が持たれた。

 

(6)その他

(1)1日、アルマグロ外相はパレスチナに対する正式な国家承認について国会で答弁したが、どの時期の国境で承認するかは明確にしなかった。

 

(2)9日、アルマグロ外相及びロサディージャ国防相はハイチを訪問し、同国に駐在するアルゼンチン、ブラジル、カナダ及び米国大使等と会合を持ち、ハイチ復興プロセスにおけるウルグアイ軍の国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)への参加に関し意見交換を行った。

 

(3)20日~27日、アストリ副大統領及びクレイメルマン工業エネルギー鉱業相は約50名のウルグアイ人企業家等と共にインドを訪問し、アンサリ印副大統領を始めとする政府関係者やインド人企業家等と会合を持ち、これまで低調であった二国間貿易促進の重要性を確認した。再生可能エネルギー分野においても協力協定を締結した他、TATAグループなどインド大手企業を視察した。

 

(4)20日、イグレシアス・イベロアメリカ機構事務局長は自身が議長を務めた経済フォーラム後、冠状静脈疾患により緊急入院したが、容態は回復に向かい28日退院した。

 

(5)23日、外務省は、リビア情勢に関し、政府によるリビア国民への暴力行為を非難、平和的解決を求める声明を発出した。

 

4.社会

(1)8日、ポシートス地区のスーパーに併設された両替商店舗に対する4人組による強盗事件が発生した。事件発生時、同店舗では現金回収のため、装甲車とマシンガンで武装した警備員が警戒に当たっていたが、犯人らは警備員に銃撃を加え、約30万ドルを奪い逃走している。なお同所は商店やマンションが立ち並ぶ住宅街であった。

 

(2)10日、短時間誘拐事件を繰り返し、補導された少年がウルグアイ青少年局(INAU)を脱走した。補導後、約一週間での事案であり、市民等から同局の対応に対する批難の声が高まっている。

 

(3)17日、少年法改正検討委員会は、昨年国内で発生した全強盗事件の約8割に未成年が関与し、約5割が再犯者であり、約2割が麻薬中毒者である旨をまとめた報告書を提出した。あらためて治安悪化における少年問題の重要性がクローズ・アップされた。