2014年5月
1 エネルギー国内供給構成及び自給率
2012年のエネルギー国内供給割合は,石油等が59.3%,バイオマス(薪,籾殻,木くず等)が28.6%,水力が9.5%,天然ガスが1.1%,風力が0.2%,輸入電力が1.3%と石油に大きく依存。エネルギー自給率は38%。
2 最終エネルギー消費構成
2012年の最終エネルギー消費構成は,石油等が43%,バイオマスが33%,電力が22%,天然ガスが1%,バイオ燃料(エタノール
等)が1%。
3 発電電力構成
2013年の発電電力構成は,降雨が多かったため水力が54%(前年は32%)と大幅に伸び,火力が36%,バイオマス(注)が8%,風力が2%であった。
(注:セルロース製造過程で抽出した液体を化学反応させて発生させた蒸気による発電及び籾殻・木くずの燃焼による発電)
4 エネルギーの多角化及び自給率向上
(1)水力発電及び燃料輸入への依存を軽減するため,エネルギーの多角化及び自給率向上を図っている。特に再生可能エネルギー開発を進めており,風力発電,太陽光発電等の他,農業国である利点を生かしバイオ燃料の生産拡大を図っている。 2015年には水力45%,風力30%,バイオマス15%,火力10%とすることを目標としている。
(2)風力発電所に関しては,米州開発銀行(IDB)がEl Libertador及びPalmatirの風力発電事業に各々66百万ドル,41.7百万ドルを支援している。また,日本企業のユーラス・エナジー社(豊田通商と東京電力の合弁会社)が,仏企業とともにミナス風力発電会社を設立し,発電所を建設中である。
(3)太陽光発電にも力を入れつつあり,サルト県で日本政府の無償資金協力による太陽光発電所が建設され,2013年3月に開所式が行われた。
(4)燃料アルコールセメント公社(ANCAP)と電力公社(UTE)の主導で,モンテビデオ沖において,浮体式貯蔵・再気化設備(FSRU)を利用しての液化天然ガス再気化事業が進められており,発電及び亜へのガス供給への利用が計画されている。本事業には日本企業の丸紅,商船三井も参画している。
(5)ANCAPはオンショア,オフショアでの石油・シェールガス採掘事業も行っている。
5 エネルギー統合
(1)アルゼンチン及びブラジルとは電力の輸出入を行っている。ブラジルとは送電網接続事業が進められている。
(2)現在アルゼンチンとの間にガスパイプラインが存在。前述の液化天然ガス再気化事業では,同パイプラインを使用して亜に天然ガス供給を図る予定。
(統計出典:Balance Energético 2012(工業エネルギー鉱業省),UTE資料ほか)