【概況】
●対ドル為替レートは平均で23.02ペソであり，前月比で0.7%ドル高ペソ安となり，引き続きドル高傾向が続いている。
●消費者物価指数は9.18%であり，指数は前月と同じでインフレは緩和されていない。「家具・家庭用品」の価格高騰は落ちついたものの。
「食品・ノンアルコール飲料」「住宅」「レストラン・ホテル」の指数が依然として高いこと等が要因。
●輸出額は前年同月比で7.8%増加した。大豆の輸出量が14.7%増加したこと等が原因。本年1月からの累計で輸出額が多い品目は大豆（21.3%），
冷凍牛肉(11.0%)，牛乳・クリーム（5.7%），コメ（5.4%）。
【トピック】
１ 統計
観光スポーツ省によると，1月～４月における，ウルグアイ人の海外旅行者数は89万人であり，昨年同期比で12%増の5億ドルを消費した。同時期の
海外からの当国への観光客数は111万人で，消費額は昨年同期比で10%減の9億ドルであった。
２ 金融
（１）30日，格付け会社ムーディーズ社はウルグアイ国債に対する格付けをBaa3からBaa2に引き上げた。Baa2は他の格付け会社のBBBに相当し，
ウルグアイ国債がこのレベルのランクに格付けされたのは初めて。
（２）25日付「エル・パイス」紙によると，2013年の国内銀行への預金額のうち海外居住者からの預金が占める割合は15%。国内銀行は2002年の
アルゼンチン経済危機に起因する「ウ」の銀行危機に教訓を得て，国外居住者からの預金比率を下げることに努め2002年の45%に比べると大幅に
減少した。しかし，居住地別預金比率は，亜が71%と依然として高く，ブラジルの5%を大きく引き離している。
３ 日系企業
22日付及び27日付「エル・パイス」紙は，エアバック製造業のタカタ・ウルグアイで，現在の繊維産業としての給与体系から金属産業の給与体系への
変更を求める組合員との対立が続いており，自動車部品産業の労働者を組織する金属労協（Untmra)が政府に対し，タカタが，繊維産業の給与体系を
維持するのであれば，同社が自動車部品業者として享受している優遇税制の適用から除外するよう求める予定である旨報じた。
４ 対米関係
（１）本年2月にコカコーラの当地代理店モンテビデオ・レフレスコ社の関連運搬会社の従業員1人が解雇されたことに抗議し，当国コカコーラ労組は
5日から9日にかけて，モンテビデオ市内の「モ」社工場出口でピケを張り，飲料を出荷するトラックの運行を妨げた。14日付「エル・パイス」紙は米の
コカコーラ本社幹部が，ムヒカ大統領の訪米に同行したベルガラ経済財務相に対して，直接懸念を表明した旨同行筋の話として報じたが，「ベ」同相は
事実関係の確認を避けた。
（２）農牧水産省によると，米国向け柑橘類の輸出が昨年11月に解禁されてから5月までの半年間で1,200トンとなった。柑橘類の輸出全体に占める
割合は8%。
５ 対ブラジル関係
16日，政府は，ブラジル政府と造船・オフショア協定を結んだ。同協定によって，船舶の建造・修理・メンテナンス及び船舶用機器の製造に関し，両国で生産された財及びサービスは相互に国内産及び国内での投資と見なされる。オルトーニョ工業エネルギー鉱業大臣代行は，「伯経済は，油田，ガス田の開発で活況を示しており，伯の造船業及び洋上プラットホームの建設に対する多額の投資が行われることが期待される。本協定の締結により，「ウ」の造船産業は伯の巨大市場へのアクセスが可能となる」と述べた。
６ その他
6日，政府は，米フィリップ・モリス社が「ウ」が2009年に制定した反たばこ関連法は「ウ」・スイス間の投資促進保護協定に違反しているとして国際投資
紛争解決センターに提訴し現在審理中であることに関連し，弁護団の増強を発表した。各紙報道によると，同審理では現在まで「ウ」政府の主張が
ことごとく退けられている。
(了)
