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在ウルグアイ日本国大使館
Embajada del Japón en el Uruguay

 
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ウルグアイ経済:3月

 

ウルグアイ経済報告(3月分)

 

1.経済概要

(1)2010年の経済成長率は8.5%という高い数値となる一方、インフレ圧力が強まる中、2月のインフレ率は7.67%となり、政府が昨年公言した4%~7%の枠内を上回る結果となった。インフレ率上昇を受けて、政府は政策金利を6.5%から7.5%に引き上げた。

(2)本年に入りドル安ペソ高が進んでおり、3月は1ドル19ペソで推移。投資も貿易も拡大しているが、アルゼンチンが輸入の際の輸入認可手続きが必要な品目数を約400品目から約600品目に引き上げ、当国政府は本件認可手続きが所定の60日以内に完了するよう二国間委員会でフォローを行うことでアルゼンチン政府と合意に至った。

(3)農業では、前半は前月に引き続き牛肉の卸売り価格が上昇し、本年に入ってから牛肉の卸売り価格は22%増となった。トルコへの生牛の輸出が増加する中、屠畜数が少ないことが問題であるとの指摘の声も上がっている。14日には屠畜業界及び食肉流通業界は50日ぶりに卸売り価格の値下げを行った。また、牛肉価格上昇に伴い、鶏肉や魚の価格も上昇した。穀物生産においては、ジャポニカ米の生産が増加している他、大豆の作付け面積が拡大した。2010年は863,200ヘクタールで180万トンが生産された。本年の生産は180-190万トンとなると見込まれている。

(4)中国の当国進出については、中国のCNOOC社及びアルゼンチンのBulgheroniが所有するBridas社が、アルゼンチン、パラグアイ及び当国のExxon Mobilの買収を発表した他、カネロネス県に、中国のBig Plastic Industry Corporation社がシンセティック・ファイバーの生産工場を設置すると報道された。

 

2.主要経済指標等

(1)GDP

  22日、中銀は2010年の経済成長率を8.5%と発表した。GDPは402億8,100万ドル、一人あたりGDPは1万2,042ドルとなった。クレイメルマン工業エネルギー鉱業大臣は、高い経済成長率を評価し、食糧や石油の国際価格の上昇等グローバル経済の不確実性を見守る必要があるとはしながらも、当国は今後も経済成長が見込めるだろうとコメントした。需要面では、実質賃金の伸び、失業率の低下や農業機械や輸送車両の購入等により民間消費が前年比11.4%、国営セクターの消費が2.2%増加した。投資は、風力発電への投資等もあり前年比13.2%増となった。貿易面では、輸出量の増加のみならず、コモディティー価格の上昇も相俟って輸出額が9.1%増加した。また輸入額は16.5%増加した。

(2)インフレ率

  2月のインフレ率は0.94%となった。燃料価格は9.7%上昇、牛肉価格は6%上昇した。また、2月末までの1年間でインフレ率は7.67%となった。燃料価格の値上げ、牛肉の価格上昇等もあり、インフレ圧力が強まっており、政府の予測よりも加速している。国内外のエコノミストのみならず、中央銀行内部からも、政府はインフレ抑制のための対応策を講じるべきであるとの見方が強まっている。当国のエコノミストの中には、2011年のインフレ率は8%以上となるとの見方をする者もいる。

(3)23日、中銀は政策金利を6.5%から7.5%に引き上げた。ベルガラ総裁はインフレ抑制が当国の最優先課題であるとコメントした。今回の金利引き上げもインフレ抑制を目的として行われた。

(4)為替

 3月はドル安ペソ高が進み、1ドル19ペソ台前半で推移した。関係者はドル安ペソ高が輸出に影響を及ぼすことを懸念している。

(5)財政赤字

経済財務省の発表によると、1月の財政赤字は前年より改善され、GDP比1.1%となった。

(6)投資

(ア)昨年10-12月の設備投資は前年同期比71%となり、四半期連続で増加した。

(イ)2月に、インドを訪問したクレイメルマン工業エネルギー鉱業大臣は、インドからの投資として、Tata-Motors及びAshok Leylandが当国進出に関心を示しているほか、農業・鉱業・ホテル業関連企業が当国への投資を考えているとコメントした。

(7)工業生産指数

(ア)工業会議所が発表した昨年12月の工業生産指数は、前年同期比2.7ポイント増加となった。また2010年の指数は前年比5.9ポイントの増加となった。

(イ)12月の指数をセクター別にみると、繊維・衣料・皮革部門は24.3%減となったが、その他はプラスとなった。非金属鉱物・基礎金属は48.4%増、金属・機械・部品は12.3%増、化学・プラスチックは7.7%増、食品・飲料・タバコは3.8%増、紙等は0.2%増。

(ウ)2010年1年間で最も増加指数が高かったのは化学・プラスチックで18.7%増、第2位は紙等で14.8%増、金属・機械・部品が13.7%増であった。

3.貿易

(1)輸出

(ア)3月の輸出

(a)輸出額は6億9,000万ドルとなり、前年同期比19.6%増となった。輸出品の内訳を見ると、冷凍牛肉が9,500万ドルで前年同期比17.1%増、大豆が3,300万ドルで前年同期比0.8%減、生鮮牛肉が3,100万ドルで前年同期比1%増、木材が2,900万ドルで前年同期比9.2%減、乳製品等が2,600万ドルで前年同期比29.3%増となった。また、薪・木材チップは2,400万ドルで82.3%増となった。3月の牛肉の輸出額は1億4,000万ドルとなり、牛肉が食肉輸出全体の90%、羊肉が4%を占めた。

(b)輸出先は、第1位がブラジルで1億3,100万ドル、前年同期比9.3%増となった。小麦が輸出された他、ペットボトルの輸出も伸びた。輸出先第2位はアルゼンチンで4,500万ドル、前年同期比17%増となった。

(イ)1~3月の輸出

(a)本年の最初の3か月の輸出は17億300万ドル、前年同期比22.6%増となった。冷凍牛肉が輸出全体の14.5%を占め、その内32.6%がロシアに輸出された。対ロシア冷凍牛肉の輸出額は8,040万ドル、輸出量は4.9%増となった。また、大豆の42%はヌエバ・パルミラのフリー・ゾーンに輸出され、35.3%がブラジルに輸出された。

(b)生牛の輸出額は800万ドルであったが、その内80%がトルコに輸出された。

(c)輸出先は、第1位がブラジルで輸出全体の21.5%を占めた。小麦(前年同期比35%増)及びペットボトルの増加が目立った。第2位はアルゼンチンで輸出額は1億2,200万ドル。前年同期比26%増であった。第3位はロシアで輸出額は9,700万ドル。前年同期比48.2%となった。また中国への輸出額は7,100万ドルで22.4%増となった。

 

(2)輸入

(ア)3月の輸入

 輸入額は6億9,000万ドルとなり、前年同期比19.6%増となった。

(イ)1~3月の輸入

(a)石油及び石油派生品を除く輸入は19億4,000万ドルとなり、前年同期比33.8%増となった。国別に見ると、アルゼンチンからの輸入が4億4,700万ドルで前年同期比51%増となり、ブラジルからの輸入が3億9,300万ドルで前年同期比28%増となった。

(b)主な輸入品は、観光バス等の輸入額が8,600万ドルで前年同期比46.4%増で第1位となり、第2位は自動車部品で輸入額は6,000万ドル、前年同期比72.8%増となった。第3位は変圧器等で輸入額は5,200万ドル、前年同期比487.6%増。第4位は貨物輸送用車両で4,300万ドル、前年同期比3.9%減、第5位は電話関連機器で4,200万ドル、前年同期比17.5%であった。

 

(3)アルゼンチンによる輸入規制

9日、アルゼンチンは輸入認可のための手続きを必要とする産品の品目を約400品目から600品目に引き上げた。但し、自動車・金属部品等は対象外となることが発表された。16日に両国で閣僚会合が開催され、今後はアルゼンチンが認可のための手続きを規定の日数内で完了するよう、二国間委員会がフォローすることで合意に至った。

 

4.農牧業

(1)牛肉

(ア)前半は前月に引き続き牛肉の卸売り価格の上昇が続いており、本年に入ってから牛肉の卸売り価格は22%増となった。トルコへの生牛の輸出が増加する中、屠畜数が少ないことが問題であるとの指摘の声も上がっている。1-2月のトルコへの生牛の輸出は64,000頭であった。こうした中、14日、屠畜業界及び食肉流通業界は50日ぶりに卸売り価格の値下げを行った。

(イ)家畜不足により、酪農会社の業績が悪化しており、工場の閉鎖や人員削減を行う会社が出てきており、1日、大統領府は、失業保険を手当されることになった従業員がいる会社についての調査を実施すると発表した。また、ブレンタ労働大臣は、事態の更なる悪化を避けるため、閣僚会合で協議するとコメントした。

(ウ)また、牛肉価格上昇に伴い、鶏肉や魚の価格も上昇している。

 

(2)穀物

(ア)当国の米生産はインディカ米が主流で、世界のインディカ米生産国第7位となっているが、最近ジャポニカ米の生産も増加してきている。ハヤテ米、コシヒカリはブラジル(サンパウロ)、トルコ、オーストラリアでの需要が高く、バール米は対トルコ向け輸出を目指して生産されている。当国の大手米生産会社も、ハヤテが数年前から売れているとコメントした。

(イ)大豆の作付け面積が拡大している。2002年から2003年の大豆の作付け面積は78,900ヘクタールであったが、2010年は863,200ヘクタールで180万トンの生産が行われた。本年の生産は180-190万トンとなると見込まれている。

 

5.労働

(1)1月の実質賃金は前月より3.68%増、前年同期比2.37%増となった。公的セクターで賃金調整が行われたことにより、公的セクターの実質賃金は7.12%増、民間セクターでは1.68%の増加となった。

(2)1・2月の労働争議は主に民間企業で行われたが、全てのケースで労使間の合意が見られた。この2ヶ月の労働争議は13件、労働損失日は31,500日、参加者は52,667人であった。労働争議の91%は民間セクターで行われた。部門別に見ると、建設業での労働争議が最も多かった。また全ての労働争議の内、74%は労働条件の改善を求めるものであった。

 

  • エネルギー
  • 中国のCNOOC社及びアルゼンチンのBulgheroniが所有するBridas社が、アルゼンチン、パラグアイ及び当国のExxon Mobilの買収を発表した。
  • 2日、政府は国際石油価格の高騰を受けて、燃料価格を平均9.7%引き上げると発表した。これは2003年2月以来の値上げとなる。
  • 燃料・アルコール・セメント公社(ANCAP)は、入札によりReflect Geophysical Private社と契約し、沿岸のプラットフォーム周辺の地震に関する地理データを収集することとなった。

 

  • 自動車

ウルグアイ自動車販売協会によると、本年1,2月の新車の販売台数は6,644台となり、前年同期比31%増となった。売り上げ台数が多かったのは、シボレー、フォルクスワーゲン、ニッサン、フィアット、プジョー、ルノーなどであった。ニッサンの売り上げは全体の6.65%、またスズキは2.24%であった。また2010年の販売台数は43,710台で史上最高の売り上げを記録した。

8.デジタルテレビ

(1)当国はアルゼンチンと今後のデジタルテレビ導入に関する協力を行うこととなった。両国でデジタルテレビに関する情報を共有し、国境地域の地デジ導入等の調整を行う。また、当国通信サービス規制委員会(URSEC)は、5月末までに国民のために必要なデコーダーや機材を特定する予定である。

(2)25日、クレイメルマン工業エネルギー鉱業大臣は、当国にデジタルテレビ用のデコーダー及び携帯電話、ルーター、コンピューター等部品を生産するための企業を設立すると発表した。本件事業の投資額は3,000万ドル相当で、本年開始される予定。

(3)また、クレイメルマン大臣は、日本が今回の災害にも関わらず、当国でのデジタルテレビへの協力を行ってくれることにも触れ、デジタルテレビ放送の導入は当国のみならず、ラテンアメリカ全体にとって大きな機会となると述べた。

(4)当国は、世界的にソフトウェアの開発で重要な国であるが、今後初めてハードウェアの開発に取り組むことになる。これにより、当国での(テクノロジーに関する)研究やイノベーションが進められるだけでなく、生産物への付加価値も増加すると報じられている。

(5)政府は今後数ヶ月で周波数だけでなく、質も考慮したチャンネルプランの決定を進めていく予定である。政府は今後入札を実施し、落札企業各々に、高画質でチャンネルの数を少なくするか、あるいは画質にこだわらずにチャンネルの数を増やすかを決めてもらう予定。

 

9.その他

  • 1日、カネロネス県に、中国のBig Plastic Industry Corporation社がシンセティック・ファイバーの生産工場を設置すると報道された。
  • 9日、今後の米州開発銀行(IDB)による当国の民間セクターへの融資が報じられた。IDBは今後当国に建設予定のMontes de Plata社によるセルロース生産施設建設に2億ドル、他行と共に4億ドルの融資を行う予定である他、当国の農牧業、バイオガス発電所への融資も行う予定である(当館注:当国ではセルロースを生産しているUPM社に続く第二のセルロース生産施設として、チリのArauco社及びStra Enzo社の合弁によるMontes de Plata社がコロニア県にセルロース生産工場及び関連施設の建設を予定している。投資額は当国史上最大の19億ドルとなると見込まれている)。
  • 2010年1月から9月のウルグアイ人の外国の銀行への預金額は、84億7,000万ドル。前年同期比1.8%減となった。他方、ウルグアイ人の国内預金は150億6,600万ドルで前年同期比16%増となった。
  • IDBの報告書によると、2010年のウルグアイ人による海外送金額は約1億2,000万ドルとなり、前年比3.4%増となった。
  • 2010年のモンテビデオのアパートの販売価格は前年比22%増、家の販売価格は17%増となった。

 

 

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