skip navigations | Español
Japan

在ウルグアイ日本国大使館
Embajada del Japón en el Uruguay

 
トップページ |大使館案内 | 二国間関係 | 領事情報 | 広報文化 | 重要外交課題 | ウルグアイ情報 | リンク
ウルグアイ情報 - ウルグアイ一般情報 | ウルグアイ観光 | ウルグアイ豆知識

ウルグアイ経済:2月

 

 

【概要】


1.財政赤字の拡大、インフレ上昇、ドル安が引き続き懸案事項となっており、ロレンソ経済財務大臣は歳出抑制を求めている。他方、増税を求めて、ムヒカ大統領に近い政府関係者等で構成される経済チームが、アストリ副大統領(前経済財務大臣)やロレンソ現経済財務大臣の意向とは別に、法人税増税、投資法改正等を検討する動きを見せ、アストリ経済チームと大統領に近い政府関係者で構成される経済チームとの以前からの対立が更に表面化した。産業界は、法人税増税、投資法改正に反対している。


2.土地への課税につき、最高裁で憲法に抵触する旨判決が出され、政府は代替案を検討している。


3.Montes del Plata社のセルロース生産関連施設建設現場で従業員が一人死亡したことにより労働争議が活発化した。

【本文】

  1. 経済概要
  2. 経済指標

   1月までの1年間のインフレ上昇率は8.72%。2月は、電力庁(UTE)、水道局(OSE) 等が電力や水の料金を値上げすることにより、インフレが更に上がることが見込まれている。

  1. 経済予測

ア コンサルタント会社Focus EconomicsによるLatin Focus Consensusによると、本年のインフレ上昇率は7.8%、財政赤字は1.8%、GDPは4%、為替は1ドル20ペソとなることが見込まれている。
イ なお、政府は、インフレ率は6.88%、財政赤字は1.4%、経済成長率は4%、為替は1ドル20.55ペソと予測している。

  1. 歳出の抑制

ロレンソ経済財務大臣が1月末に緊縮財政を呼びかけ、今後補正予算は技術大学(UTEC)の建設のみを対象とすると述べたことにより、与党FA党内で、補正予算を巡る議論が活発化した。1月の財政赤字はGDP比2.8%。FA党内からは、財政赤字のツケは労働者に追わせるのではなく、資本を蓄えている人たちに払わせるべきであるとの声も出た。

  1. 税制改革等

(1)ムヒカ大統領の側近による経済チームは、今後、法人税を現行の25%から30%に引き上げる提案書を、大統領に提出するとした。また、同経済チームは投資法の改正についても提案書を作成するとした。


(2)これに対し、産業界は、ルールの変更は投資家への法的な保証を失うものであり、当国の良いイメージが損なわれるとして、投資からの信用喪失を懸念している。


(3)また、政府は、土地への課税により、税収拡大を狙っていたが、15日、最高裁で地税への課税が違憲であるとの判決が出された。判決では、土地税の課税が、憲法第297条の二重課税及び第298条の地方の財政・課税の独立性に抵触するとされている。


(4)これに対し、政府内では、相続税の免税等を撤廃することにより、相続税からの税収を増やす、国民投票により憲法を改正し、地税を憲法に抵触しないものとする等の意見が出ている。


(5)20日、アストリ副大統領(前経済財務大臣。ロレンソ経済財務大臣らの経済チームを率いている)が、ムヒカ大統領及び与党の経済チームが、ロレンソ大臣の意思を尊重せずに税制改正法案等を提案していることを指摘し、これは深刻な問題で、ロレンソ大臣の信用にも関わり、税制システムのバランスを失うと述べた。


(6)これに対し、21日、ムヒカ大統領は緊急閣議を開催し、大統領は自分であり、国民は自分に投票したのであるとし、アストリ副大統領が公の場で、アストリ派と大統領の周辺の経済チームとの間で対立があることを公にしたことを批判した。


(7)また、ロレンソ大臣は、経済は短期的なビジョンを持つべきではないと述べると共に、様々な批判を受け疲労していると述べた。ロレンソ大臣は、途中で発言を遮られ、閣議に出るのはこれが最後になるかもしれないので最後まで話させて欲しいと述べる場面もあった。ロレンソ大臣は、オレスケル社会開発大臣、ブレンタ労働大臣やセンディック国家燃料・アルコール・セメント公社(ANCAP)総裁が公の場で経済政策に疑問を呈したことを非難した。
(8)ロレンソ経済財務大臣が離任かと危ぶまれたが、22日の4時間にわたる会合の末、留任することとなった。関係者は、アストリ副大統領が、ロレンソ大臣に辞任を思いとどまらせたと述べた。アストリ副大統領は、会合で、バスケス前大統領の支持を得たことを強調した。

 

2.エネルギー


7日電力庁(UTE)は、IDBとPuntas del Tigreの発電施設建設支援について署名をを行った(25年の融資、償還期限は5年、利子年率2%)。同事業の全コストは5億3,000万ドルで、アンデス開発公社(CAF)からも1億8,000万ドルの支援が得られる。

 

3.労働

  1. Montes del Plata社での労働争議

 ア 1月29日にMontes del Plataの建設事業で従業員が1名死亡したことを受け、5日、建設労組(Sunca)と金属労組(Untmra)の全国労働総同盟(PIT-CNT)の二大強力労組が共に活動し、工場を占拠した。


イ 7日早朝に労働省が労組と交渉した。関係者は、業務リスクのプロトコル及び労組が事故を予防するために費やす時間の拡大等について交渉を行ったが、合意に至らない点もあり、ブレンタ大臣は、対話で解決したいと述べた。

  1. 今後の雇用

ア 現在行われているMontes del Plata社のセルロース施設建設事業が11月から12月に完了することにより、2013年は建設業界の5,000人の従業員が職を失うことになる。工業部門でそれらの従業員を吸収することは出来ず、2014年の見通しは明るくない。


イ ブレンタ労働大臣は、建設労働者は職を失えば地方に戻って農業を行う。農業も人手が不足している。現在は建設業が通常の3倍の給料で農業人口を吸収している状況である。本年3-4月に、投資法の適用を受けた新規投資案件についての報告書が出てくるので、それにより今後の雇用の予測が可能となると述べた。

  1. 今後の労使交渉

 ア ブレンタ大臣は、今後の交渉において、インフレ率は考慮すべき要素の一つではあるが、最優先事項では無いとし、次の労使交渉では、各セクターの成長と競争力の指標に注目すると述べた。


イ また、ブレンタ大臣は、バスケス前政権で賃金が回復し、今後は子供のいる女性や保健、生活等を考慮し、より広い視点で労使関係を考えていく必要があるとし、そうすれば自ずと全体のベースアップにつながると述べた。

 

4.貿易


(1)輸出


ア 2月の輸出額は5億4,000万ドルで前年同期比。また、フリーゾーンからの輸出は7,100万ドルとなった。主要輸出品は、冷凍牛肉(全体の18%)、生鮮牛肉(7%)、丸太(6%)、米(5%)、牛乳(4%)等。米の輸出は33%減となった。


イ 主要輸出先は、ブラジル、中国、ベネズエラ、アルゼンチン。主要輸出品は、冷凍牛肉、生鮮牛肉、米、牛乳、丸太等。


ウ 対中国輸出は104%増で冷凍牛肉、羊毛、剪毛機、骨粉等が輸出された。


エ 観光バスの2月の輸出額は2,800万ドルとなり、主にベネズエラ(全体の51%)、ブラジル(27%)、アルゼンチン(21%)に輸出された。輸出の65%はBesiney社、34%はChery Socma社が担っている。


オ 羊毛の輸出は2,300万ドル。その86%が中国に輸出された。


(2)輸入


ア 2月の輸入額は6億5,300万ドルで前年同期比9%増となった。


イ 主な輸入先国は、中国、アルゼンチン、ブラジル、米国、フランス。主な輸入品は、観光バス、電話・携帯、貨物用トラック、大麦、農薬等。

 

5.農業


果物の対米輸出解禁


5日、アルマグロ外務大臣、アゲレ農牧大臣、レイノソ在ウルグアイ米国大使は、記者会見を開き、当国の柑橘類の対米輸出が解禁された旨発表した。アゲレ大臣は、現政権が目指していた韓国への牛肉輸出、質の高い牛肉のヨーロッパへの輸出、米国への柑橘類輸出の3つの目的を果たすことが出来たと述べた。

 

6.その他


(1)カナダとの租税協定


5日、カナダとの租税協定に署名した。当国にあるカナダ企業にとって好ましい環境を作るため。これにより、カナダ企業は当国で税の支払いを行いカナダの本社では免税となる。


(2)製鉄関連法案の提出


将来の鉱業及び製鉄業の発展を見据え、13日、政府は国会に製鉄関連法案を提出した。ムヒカ大統領は、13日の閣議で、構造的な失業解消のための生産拡大、付加価値のある経済成長を果たすことが必要であるとし、その中で鉱業が優先であると述べた。


(3)新車購入の際の融資増加


2012年は、新車購入の際の融資が50%増加し、融資件数は1,367件となった(このうち1,159件がドル融資(880万ドル)、208件がペソ融資(150万ドル))。また、2012年の新車の売り上げは53,050台であった。


(4)トランジット貨物
1月のトランジット貨物の量は前年比36%減で7,361個となった。入ってきたコンテナは、4.17%増で7,898個、出て行ったコンテナは9%減で4,927個となった。


(5)ソフトウェア産業


ア ウルグアイ情報技術協会の調査によると、2011年のソフトウェアの輸出及び国内の売り上げ合計は7億5,000万ドルで前年比22%増となった。GDP比の約2%。全体の26.4%が米国に、12.42%がブラジルに、9.3%がチリに、8.5%がアルゼンチンに、8.29%がメキシコに輸出された。
イ また、国内での売り上げは4億8,400万ドルで前年比24%増となった。

 

 

 

©Copyright 2012 Embassy of Japan in Uruguay                        法的事項/  アクセシビリティについて/  プライバシ-ポリシ-