館長挨拶
私は去る2月22日、ウルグアイに着任いたしました。ウルグアイは日本から最も遠くにある国ですが、自然に恵まれ又民主主義、自由経済といった基本的価値をわが国と共有しており、素晴らしい国に着任できたと思っております。
着任早々、新旧大統領の引継ぎに立ち会う幸運に恵まれましたが、ムヒカ新大統領の下、新たな歩みを進めるであろうウルグアイに大きな期待が寄せられます。これまで築き上げられてきた両国の良好な関係は、日系の方々を始めとする先人の弛まぬ努力によってもたらされたものであり、今後より一層その関係が深まるよう努める所存です。
現在、日本とウルグアイとの二国間関係は様々な分野で強化され、今後とも更なる発展が望めます。特に、昨年(2009年)12月にはバスケス前大統領の日本公式訪問が実現し、ウルグアイへの太陽光パネル供与に関わる交換公文が署名されるなど両国の協力関係は一層深まってきています。また、2003年には紀宮清子殿下、さらに2008年には高円宮妃殿下が当国を訪問され、ウルグアイの人々に深い印象を与えられましたことは記憶に新しいところです。
経済面では、ウルグアイは南米南部の中心に位置し、海上交通の中心地として地理的優位性を有しており、また、農牧林業の他水産資源にも恵まれていることから、我が国への食料供給面でも重要な国といえます。日系人が中心の「草の根・ラプラタ流域再開発研究会」が日本への食料供給をも視野に入れた活動をしております。またこの国は情報通信・ソフトウェア産業で素晴らしい業績を残しており、我が国との関係強化が望まれます。
日本には、日本・ウルグアイ友好議員連盟と日本・ウルグアイ協会が、そしてウルグアイには、ウルグアイ・日本商工会議所、日本人会、日本留学生・JICA研修生の会があり、それぞれ両国関係の強化に資する活動を行っています。特に、日本留学生・JICA研修生は1000人を超える数となり心強く感じております。
日本政府はJICA(国際協力機構)を通じ、これまで40年以上にわたってウルグアイに対し様々な技術協力を実施してきました。林業・林産業を始めとして農牧産業や環境保全といった分野での専門家派遣、シニアボランティアの派遣、あるいは集団研修などによってウルグアイの社会経済開発のために協力しています。現在、サンタルシア川の汚染源管理に掛かるプロジェクトなどが進行しています。
一方、日本大使館は、草の根・人間の安全保障無償資金プログラムを通じ、教育、基礎医療、地域開発等の分野で経済支援を行ってきています。一件当たりの金額は小さくとも地域住民の要望に丹念に応える援助として高い評価を得ています。
また、ウルグアイにはメルコスールの事務局が置かれています。従来から様々な分野で協力関係を築いてきましたが、今後一層関係が強化されるよう望んでいます。
文化交流関係では、共和国大学音楽学校などへの楽器供与、ソリス劇場に対する3回にわたる音響・視聴覚機材供与、観光スポーツ省国家スポーツ局に対する柔道器材供与などの文化無償協力を通じ、ウルグアイの文化・芸術・スポーツ分野の発展のために協力してきています。また、新たにウルグアイの青少年オーケストラ・システムに対し、楽器など100数十点を供与するなどウルグアイの若者たちが音楽を通じて日本と交流を深めてくれることが期待されます。さらに多くのウルグアイ人が日本語に関心を有していることが知られていますが、非常に心強くかつ喜ばしいことと感じております。今後とも文化交流を深めて行きたいと思っています。
最後になりましたが、大使館としては今後とも日本とウルグアイとの関係促進のため一層努力していく所存です。ウルグアイの皆様の従来からのご支援・ご協力に感謝申し上げるとともに、両国が距離のハンデを乗り越えて、遠くにあっても近い国となるようよろしくお願いしたいと思います。